STANAG 7221特徴
STANAG 7221の基本的な特徴
STANAG 7221には次の基本機能と特徴があります:
- マルチノード・ネットワーク(多くのターミナルが同じ配線を共有)
- 半二重(ターミナルは一度に一方向のみの通信)
- 冗長バス(デュアル・バス運用に対応)
- 一度に送信できるターミナルは1つだけ(時分割多重)
- 通信は、ノード間のすべてのトランザクションをスケジュールするBCによって管理(コマンド、および、応答)
- BCは、追加のBC機能を備えたRT
- RTは他のRTと直接、または、BCと通信可能
STANAG 7221動作コンセプト背景
7221ターミナルは、既存の1553Bシステムに1553Bアクセスを提供し、1553Bよりも高い帯域幅要件を持つアプリケーションには7221高速アクセスを提供します。 両方の動作は、既存の1553Bケーブル接続上に同時に存在できます。 個別のApplication Program Interfaces(API)は7221、または、1553Bネットワークへのアクセスを提供します。
7221ネットワークは、OSIの7レイヤー・モデルに準拠しています。 OSIモデルは、7つのレイヤーでプロトコルを実装するためのフレームワークを定義します。 制御は1つのレイヤーから次のレイヤーに渡され、アプリケーション・レイヤーから開始され1つのターミナルの物理(PHY)レイヤーに進み、 次のターミナルの物理レイヤーへチャンネルを通して受信アプリケーションへ階層を戻っていきます。
OSIレイヤー・モデルの定義と概要
STANAG 7221動作コンセプト背景
OSIモデルは、インターネットワーク接続性を改善するために国際標準化機構によって作成されました。 1984年の創業以来、OSIはネットワーキング・オペレーティング・システムで定義されたレイヤーを記述するために使用される普遍的に受け入れられている参照モデルに進化しました。 表に7レイヤー参照モデルの概要を示します。
レイヤー | 名称 | 説明 |
7 | アプリケーション | このレイヤーは、アプリケーションとエンド・ユーザーのプロセスをサポートします。 通信相手が識別され、サービス品質が識別され、ユーザー認証とプライバシーが考慮され、 そしてデータ構文に対するあらゆる制約が識別されます。 このレイヤーはアプリケーション固有です。 このレイヤーは、ファイル転送、電子メール、および、 その他のネットワーク・ソフトウェアのためのアプリケーション・サービスを提供します。 |
6 | プレゼンテーション | このレイヤーは、アプリケーションからネットワーク・フォーマットへ、および、 その逆に変換することによって、データ表現(例えば暗号化)の違いからの独立性を提供します。 プレゼンテーション・レイヤーは、データをアプリケーション・レイヤーが受け入れることができる形式に変換するように機能します。 このレイヤーは、ネットワークを介して送信されるデータをフォーマット、および、暗号化し、 互換性の問題から解放されます。シンタックス・レイヤーと呼ばれることもあります。 |
5 | セッション | このレイヤーは、アプリケーション間の接続を確立、管理、および、終了します。 セッション・レイヤーは、両端でアプリケーション間の会話、交換、および、対話を設定、調整、および、終了します。 セッションとの接続の調整を扱います。 |
4 | トランスポート | このレイヤーはデータの透過的な転送を提供します。信頼できるデータ転送とフロー制御をオプションで提供します。 |
3 | ネットワーク | このレイヤーは、ノードからノードへデータを送信するためのバーチャル・サーキット(VC:Virtual Circuit)として知られる論理パスを提供します。 ルーティングと転送はこのレイヤーの機能です。アドレッシング、インターネット・ワーキング、エラー処理、渋滞制御、および、 パケット・シーケンスも同様です。 |
2 | データ・リンク | このレイヤーでは、データ・パケットは、ビットにエンコード、および、デコードされます。 このレイヤーは、ネットワーク媒体へのアクセス、フレーム同期、フロー制御、および、エラー・チェックを制御します。 |
1 | 物理(PHY) | このレイヤーは、電気的、および、機械的レベルでネットワークを介してビット・ストリームを伝送します。 ケーブル、信号、シグナリング・プロトコル、および、物理的側面を定義することを含む、 キャリア上でデータを送受信するためのハードウェア手段を提供します。 |
PHYレイヤー
PHYレイヤーは、ケーブル、信号、シグナリング・プロトコル、および、物理的側面の定義を含む、 メディア上でデータを送受信するためのハードウェア手段を提供します。 PHYレイヤーは、PHYメディアと物理レイヤー・シグナリング(PLS:Physical Layer Signaling)の2つのサブ・レイヤーに分割できます。
PHY媒体は、既存の媒体であり得る通信ネットワーク・システム間の物理的リンクのための電気的、および、機械的仕様を定義します。 PLSサブ・レイヤーはネットワーク・ノード間の物理リンクを活性化、非活性化しそして維持します。
データ・リンク・レイヤー
データ・リンク・レイヤーは、ネットワーク・メディアへのアクセス、フレーム同期、フロー制御、および、エラー・チェックを制御します。 データ・リンク・レイヤーは、論理リンク管理とメディア・アクセス制御(MAC:Media Access Control)の2つの複層に細分されます。
データ・リンク・レイヤーの論理リンク管理サブ・レイヤーは、コネクション型プロトコルを介してネットワークの単一リンク上でノード間の信号交換を開始します。
データ・リンク・レイヤーのMACサブ・レイヤーは、フレーム同期スケジューリング、および、 エラー・チェックを制御します。共有PHYメディアへのアクセスは、BC管理スケジューリングを介して制御されます。
ネットワーク・レイヤー
ネットワーク・レイヤーは、ノードからノードへデータを転送するための、バーチャル・コネクションとして知られる論理パスを提供します。 ルーティングと転送は、アドレッシングとインターネット・ワーキングと同様にこのレイヤーの機能です。
トランスポート、セッション、プレゼンテーション、アプリケーション・レイヤー
トランスポート・レイヤーは、データの透過的な転送を提供します。 信頼できるデータ転送とフロー制御をオプションで提供します。 セッション・レイヤーは、エンドツーエンド・アプリケーション間の接続を設定、管理、および、終了することによってセッションと接続の調整を提供します(例:会話、交流、対話)。
プレゼンテーション・レイヤーは、アプリケーションからネットワーク・フォーマットへ、および、その逆に変換することによって、 データ表現(例えば符号化)の違いから独立性を提供します。
アプリケーション・レイヤーは、ファイル転送、電子メール、および、その他のネットワーク・ソフトウェア・サービスのためのアプリケーション固有のサービスを提供します。
ピアツーピア通信、および、カプセル化
別々のノード上のOSIモデルの対応するレイヤーで実行されるピアプロセス間の通信は、プロトコル間の水平通信によって実現されます。 この通信を提供するためのメカニズムは、各プロトコルの個々の要件を実装するための特定のフォーマットを持つ、一般的に「パケット」と呼ばれるProtocol Data Units(PDU)によって行われます。
プロトコルがピア・プロトコルと通信するためには、PHYレイヤーを介したピアへの最終的な送信のためにそのノードの下位OSIレイヤーを介してPDUを連続的に通過させなければなりません。 次にPDUは、その特定のプロトコルに関連するOSIレイヤーに到達するまで、その宛先ノードのOSIレイヤーを介して連続的に通過します。
PDUが各OSIレイヤーから連続的に通過するにつれて、それ自身の関連するヘッダー、および、フッターをデータに付加し、 次の下位レイヤーに渡されます。各レイヤーは、上位レイヤーからの情報の場合をService Data Unit(SDU)として扱います。 これはこのプロトコル・レベルでのパケット「ペイロード」とも呼ばれ、その実際のメッセージ内容は関係ありません。 連続する各レベルでデータにヘッダーとフッターを追加するこのプロセスはカプセル化と呼ばれ、パケットがPHYレイヤーに到達するまで続きます。PDUデータが各上位レイヤーに渡されるにつれて、関連するヘッダー、および、フッターが連続的に取り除かれてデータが宛先に到達するとプロセスは完了します。
ネットワーク階層化
下図は、Edgewater 7221ターミナルに提供した入力が、OSIネットワーキング・モデルにどのように関連するかを示しています。 図に示すように、下位レイヤーの通信のほとんどはターミナルによって処理され、 下位レイヤー機能へユーザーが関与できるのは、コンフィグレーション・データとバス・スケジュールに制限されています。 達するまで続きます。PDUデータが各上位レイヤーに渡されるにつれて、関連するヘッダー、および、フッターが連続的に取り除かれてデータが宛先に到達するとプロセスは完了します。
OSIレイヤーに関連するユーザー入力
コンフィグレーション・データは、パフォーマンスとコネクション・テーブル・データを調整するためにオプションで最適化できるパラメータで構成されています。 コネクション・テーブルは基本的にVCエンドポイント・マップを提供します。 Edgewaterは、コンフィグレーション・データとバス・スケジュールを作成するのを支援するためのGUIベースのツールを提供します(XiCDT:Xi Configuration Data Tool)。
図に、PHYレート、MACレート、および、アプリケーション・データ・レートとOSIレイヤーとの関係を示しています。
OSIレイヤーに関連するデータ・レート