他のARINCプロトコル
ARINC 429
参考文書 7 、 ARINC 419 Digital Data System Compendium は、1984年以前に利用できたブロックを構築する数多くのデジタル送信システムについて説明しています。 ARINC 561、582、573、および 575のようなARINC 429に先立つ多くのプロトコルの概要を提供します。
参考文書は、規格が変化した数多くのデジタル送信システムについて説明しています。 あるシステムは、ARINC 429に類似した 32 ビット・ワードを使用しました。 あるものは、各 64、12-bitワードから成る4サブフレームのメジャー・フレームを使用しました。 なお、他のものは、64-bit ではなく、32-bit ワードを使用しました。 あるメッセージ・フレームは、2 つの BCD ワードの3つのサブフレームを持つ 24ビットでした。 あるシステムは、情報識別子を提供しませんでした。 他のものは、8-bit ラベル・コードを使用し、別のものは、情報を識別するためにタイム・スロットに依存しました。 BCD vs. BNR の識別は、送信された第 1 ビット、または第 4 ビットの何れかのフラグ・ビットにより提供されました。 多様な標準データ・ラベルが、採用されました。
ある電気的相互接続は、ビット毎に 1 線に頼りました。他のものは、上述の 6 線システムを使用し、他のものは、シールド 2 線ツイスト・ペア、または同軸ケーブルを使用しました。 2 つの状態(HI、LO)か、または 3 つの状態(HI、NULL、LO)が使用されました。 電圧レベルは、ハイ状態は 18.5 ~ 10V まで、ヌル状態は 5(未満)~ 1V までが使用されました。 デジタル言語は、 Gilham コード(例は、 ATC トランスポンダー用の高度エンコーダです。)、 個別の各場合で決定したビット・ストリーム、 International Standards Organization ( ISO ) Alphabet #5 、 BCD 、および BNR が含まれました。 いくつかの場合、エラー検知、または訂正がなく、他のものは、ビット・パリティ、またはキャラクター・パリティ、またはブロック・シーケンス・チェックを使用しました。 ビット・レートは、 384 bps ~ 12+ Kbps に、およびシステム中に多くの他のバリエーションが存在しました。
「標準」の変種は、単一ユーザが関係するところでは問題となりませんが、異なるサプライヤーの機器が相互作用しなければならない時に非常に重要です。 標準化は、航空機のインテグレーターだけではなく、「スペック」に基づく限り、製品の容認性を保証できるため、機器サプライヤーにも有益です。 ARINC 429 は、最も広く適用された近代的輸送機用のデジタル・データ送信仕様です。 ARINC 429 は、419の経験に頼っていますが、それに依存していません。
ARINC 453
正式にはリリースされていない仕様です。 ARINC 708 を参照してください。
ARINC 561/568
標準化されたデジタル・データ送信の必要性が、ARINC Characteristics 561, “Air Transport Inertial Navigation System”の開発中に生じました。 ARINC 568は、ARINC 561と同じ電気的インターフェイスを使用します。
3ペアの配線を伴う6線システムが、561で使用されました。3つのペアは、各々「クロック」、「同期」、および「データ」となりました。 Non return to zero(NRZ)が適用され、12V論理レベルがバイナリ 1用に送信されました。 ワード長は、32 ビットでした。 ビット 32 と 31 は、SSM を含み、パリティ・ビットは提供されませんでした。 残りのフィールドは、8-bit ラベルと、 5 つの 4 bit と 1 つの 2 bit の 6 つの BCDフィールドを含みました。 1967年、6 線システムが業界標準として採用されました。
ARINC 573
他の標準は、ARINC 573、フライト・レコーダ出力フォーマットが含まれています。 このデバイスは、フレームでエンコードされる Harvard Bi-Phase エンコード 12 bit ワードの連続的データ・ストリームを送信します。 フレーム内のデータは、航空機の多くのアビオニクス・システムのスナップショットから成ります。 各フレームは、時間の異なるスナップショットで同じデータを含みます。
各フレームは、 4 サブフレームに分かれます。各サブフレームの開始時、流入データと同期するために、 受信機により使用されるユニークな同期ワードです。
ARINC 575
ARINC 575は、ARINC 429に非常に類似した古い仕様ですが、今や時代遅れです。 ARINC 429で標準となっている単一のツイスト・ペア線を有する Mark 3 Subsonic Air Data System(DADS)に適応しました。 電気的に、ARINC 575は、一般に低速 ARINC 429と互換性があります。 575のある変形は、ARINC 429よりも著しく遅いビット・レートを使用し、電気的に互換性がありません。 また、いくつかの場合、ARINC 575 ワードは、ビット 32 をパリティとして使用します( ARINC 429 のように)。 他の場合、ビット32 は、データとして使用されます。
ARINC 582
これは、多くの電気的置換を有する古い仕様です。6線バージョン(ARINC 561参照)、2線バージョン(ARINC 575参照)並びに16ビット、2線バージョンが存在します。
ARINC 615
ARINC 429準拠システムの特殊なケースも存在します。ARINC 615(参考文書 8 参照)は、機上デジタル・システムへ(から)情報を転送するための高速データ・ローダーについて説明します。 ARINC 429物理層の上に位置するソフトウェア・プロトコルです。2バージョンのローダーが存在します。 PDL は、試験機器の携帯式フライト・ライン部であり、ADL は、商用機の計器パネルに収まるように設計されています。 両バージョンの機器も、3インチのディスクに読み書きし、ディスクと選定された機上コンピュータ間でデータを転送することが可能です。 転送は、自動的に、または ARINC 429データ・バスを経由して行うことができます。 データは、望みにより、アップロード、またはダウンロードすることができます。
ARINC 629
追加のARINC標準が開発されています。ARINC 629は、新しいボーイング 777 機で使用されています。 周期的、または非周期的送信が可能な高速双方向バスを使用しています。 バスへのアクセスは、待機期間、静止期間その他の規則を伴う洗練されたプロトコルで制御されます。 更なる詳細は、参考文書 9を参照してください。
ARINC 708
このプロトコルは、機上気象レーダー・システムに固有のものです。 これは、レーダーからレーダー・ディスプレイへの出力として使用されます。 バスは、2線を使用し、シンプレックス、Manchesterエンコードであり、1 Mbitのデータ速度で動作します。 元々は、MIL-STD-1553技術の簡単な派生物に基づくものでした。 データ・ワードは、1 つの64ビットのステータス・ワードと512の3ビットのデータ・ワードで構成される1600ビット長です。
ARINC 717
ARINC 717は、 ARINC 573を更新し、同じ機能を実行するために使用されます。 これは、異なるビット・レートとフレーム・サイズが追加されています。 BPRZ フォーマット(ARINC 429と同じ)でエンコードされることを除き、プライマリである Harvard Bi-phase エンコード・ストリームと同一の代替出力データ・ストリームを提供します。
ARINC 429解説文書【日本語技術資料プレゼント】
ARINC 429通信規格の日本語技術資料(全18ページ)をIPROSにて配布しており、ダウンロードいただけます。