アーキテクチャ
AS5643仕様は、IEEE標準高速シリアルバス(IEEE-1394-1995)、改訂(IEEE-1394a-2000)、および、高速版(IEEE-1394b-2002)に基づきます。
データ・バス・アーキテクチャと動作
ネットワークは、IEEE-1394の非同期ストリーム・パケットを使用して同期的に機能します。 送信は、デュアル・シンプレックス方法により行われます;1394b では、2つの通信リンク (TPAおよび、TPB) は一方向で、TPA はTPB が受信に使われている間に送信として使われます。 1394bは、パフォーマンスの拡張を可能にするデュアルのチャネルを使用してアービトレーションとデータ転送を行います。 データ転送を行うノードも、他のノードからのアービトレーション・リクエストを受信したアービターとして動作します。情報伝送の制御は、バス上の個々のノードによって行われます。
バス上のデータ転送は、「非同期ストリーム」で定義され、主に非同期ストリーム・パケットから構成されるものとします。 また、非同期とアイソクロナス・パケットは、「非同期トランザクション」および、「アイソクロナス・パケット」で定義されるように、必要に応じて使用することができます。 代表的なリモート・ノード・サブシステムIDおよび、チャンネル番号は、「宛先ノードのチャンネル割当て」で定義されています。
ネットワークは、IEEE-1394b-2002信号規格に基づき物理層を実装しなければなりません。この規格は、自動検出とループ・ブレイキング(ループ自動検出・除去)を提供します。 ループを実装すると、バス上の他のノードに障害が生じた場合、代替バスを使用することで、冗長性を向上させます。 例えば、図2-1において、CCブランチのノード4に障害が発生した場合、CCは、別のポートを経由し、CCブランチ・ノード5とCCブランチ・ノード3にアクセスすることができます。
1394データ・バスは、一般的にノードを接続するいくつかの独立したバスで構成することができます。次項では、さまざまなネットワーク構成を示しています。
基本ネットワーク・アーキテクチャ
図1は単一のCC(制御コンピュータ)を使用した基本的なネットワーク・アーキテクチャを示しています。CCの3つのポートそれぞれにリモート・ノードが接続されているにもかかわらず、 単一のIEEE-1394bバスとして構成されています。
図1 シングルCCによる基本ネットワーク
ループを持つ基本ネットワーク・アーキテクチャ
図2-1は、単一のCCとノード0がCCのポート1へ接続することによるループを利用した、基本ネットワーク・アーキテクチャです。 ループはIEEE-1394では許可されておらず、IEEE-1394b用のPHYでは自動的にループを検出し、切断します。 ループの切断は、新しいアーキテクチャ・ツリーが設定されるまで不明です。PHYのループ切断後、二つのツリーがあり、1つがポート0、もうひとつがポート1です。 それらのポート上のノードに障害が発生した場合、バスは、故障したノードを自動的に再コンフィグレーションし、ツリーの「エンド」にします。他のすべてのノードは、まだ有効です。 これは第一レベルの冗長性を提供します。
図2-1 シングルCCとループによる基本ネットワーク
バス上の他のノードに障害が生じた場合、代替バスを使用することで、冗長性を向上させます。 例えば、図2-2のように、CCブランチのノード4に障害が発生した場合、CCは、別のポートを経由し、CCブランチ・ノード5とCCブランチ・ノード3にアクセスすることができます。
図2-2 シングルCCとループによる基本ネットワーク
ループを持つ代表的な3重冗長ネットワーク・アーキテクチャ
図3は代表的な、3重1394車両(機体)ネットワーク・アーキテクチャを示しています。3つのCCはクロスチャンネル・リンクされ、こうして、第二レベルの冗長性を提供しています。
図3 代表的な3重冗長CCアーキテクチャ
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